親知らずを「抜く・抜かない」は「生え方」で見極める
「親知らず、抜いた方がいいのかな?」このような疑問をお持ちの方は、少なくありません。
多くの場合、生えるスペースが足りず、無理な方向に押し出されるようにして生えてくるため、隣の歯を圧迫し、歯並びを悪くしたり、痛みや炎症を引き起こしたりすることがあります。特に、横向きに生えている親知らずは、そのリスクが高いため、当院では基本的に抜歯をおすすめしています。
一方で、すべての親知らずが抜くべき対象とは限りません。
たとえば、次のようなケースでは、無理に抜く必要はないと判断することもあります。
・親知らずがまっすぐ生えていて噛み合わせに問題がない場合
・歯ぐきの中に完全に埋まっていてトラブルが起きていない場合
このような親知らずを抜くと、治療に時間がかかるだけでなく、術後の腫れや痛みも強くなってしまうことがあるため、慎重な判断が大切です。
大切なのは、「今の状態」と「将来起こりうるリスク」を正しく知ること。当院では、患者さんのご希望を丁寧にお伺いしながら、CTなどでしっかりと状態を確認し、必要に応じて複数の選択肢をご提案しています。「親知らず、抜いたほうがいいのかな……」と迷われている方は、どうぞお気軽にご相談ください。
親知らず抜歯のメリットとデメリット
ここで親知らずを抜歯した場合のメリットとデメリットについて考えてみたいと思います。
メリット
- 虫歯・歯周病のリスクが低くなる
- 口臭の温床を除外できる
デメリット
- 術後に痛みや腫れが発生する
- 抜歯による舌や唇が麻痺するリスクがゼロではない
抜歯のデメリットは、通常、術後1週間程度で治まります。しかし、抜歯がうまくいかないと長引く場合もあります。口内環境の改善のためには、抜歯がベターな選択であるケースが大半ですが、抜歯をせずに済むこともありますので、歯科医師とコミュニケーションを重ねて慎重に検討しましょう。
当院で行う親知らず抜歯の「特徴」
当院で実施する親知らずの抜歯の体制や特徴をご紹介します。
「CT」での精密診断
親知らずの抜歯は、「どこに、どのように生えているか」によって、治療の難しさが大きく変わります。とくに、歯ぐきの中に埋まっていたり、神経や血管の近くにあるようなケースでは、慎重な判断と高い精度の治療が必要です。
そこで当院では、CT(3次元立体撮影)を用いた精密な診断を行っています。CTはお口の中を360度から撮影でき、レントゲンでは見えにくい部分も立体的に映し出すことができます。そのため、親知らずの位置や向き、周囲の骨の状態、神経や血管との距離まで正確に把握できます。
このように事前にしっかりとリスクを見極めることで、歯ぐきの切開範囲を最小限に抑えられ、術後の腫れや痛みのリスクも軽減できます。
「水平埋伏歯」の抜歯にも対応
水平埋伏歯とは、横向きになって骨の中に埋まっている歯のことです。
水平埋伏歯の抜歯は、真っ直ぐ上向きに生えている歯よりもはるかに難しく、高度な技術が必要になります。
水平埋伏歯を抜歯する際は、歯茎を切開してめくりあげ、歯の頭の部分と骨の一部分を削り取り、分割しながら抜歯します。
痛覚をブロックする「伝達麻酔」
麻酔注射の方法には「浸潤麻酔」と「伝達麻酔」の2つがあります。「浸潤麻酔」は歯茎の一部を麻痺させる麻酔で、通常の虫歯治療によく用いられます。しかし、神経がたくさん通っている下あごの親知らずに浸潤麻酔をしてもほとんど効果がありません。
そこで行うのが「伝達麻酔」です。伝達麻酔では痛みを伝える神経(痛覚神経)からの信号を長時間遮断しますので、親知らずの抜歯の場合、とても有効な麻酔法になります。
テルプラグ
コラーゲンの材料です。歯を抜いた穴に充填し、治癒を促進します。
女性の親知らず抜歯は「妊娠前」がベター
妊娠中はホルモンバランスの影響により、お口の環境が不安定になりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まることが知られています。とくに、親知らずのまわりは歯ブラシが届きにくく、歯茎が腫れて急に痛み出すケースも少なくありません。
しかし、妊娠中はレントゲンの撮影、麻酔の使用、内服薬の処方などに制限があるため、いざというときに思うような治療が受けられないこともあります。お腹の赤ちゃんへの影響を考えると、妊娠中の抜歯はできるだけ避けたいというのが多くの方の本音でしょう。
だからこそ、妊娠前のタイミングで親知らずの状態を確認し、必要があれば早めに抜歯をしておくことをおすすめします。 トラブルを未然に防ぐことで、安心して妊娠・出産を迎えることができます。
「今は特に痛みはないけれど、親知らずが気になる」という方も、お気軽にご相談ください。将来のリスクを見越して、無理のない範囲で最善の治療をご提案いたします。
親知らずQ&A
- 下の顎に親知らずが2本あります。片方の親知らずを抜いたら、もう片方も抜くべきでしょうか?
- ケースバイケースですが、片方の親知らずに痛みが出てきたら、もう片方も状態が悪くなっている可能性があります。両方抜くべきかどうかは、歯科医師の診断のもと決めるようにすべきでしょう。
- 親知らずが原因で歯並びが悪くなることはありますか?
- 横や斜めに生えている場合は、隣の歯を押し出すことで、歯並びに影響が出てくる可能性があります。
- 親知らずの抜歯治療にかかる時間はどのくらいでしょうか?
- ケースバイケースですが、当院で親知らずの抜歯を行う場合、上顎の抜歯なら1本約30分、下顎の抜歯なら1本30~60分程度を目安としています。
- どんな親知らずでも抜歯をしてくれますか?
- 当院では、たいていのケースで親知らずの抜歯治療は対応可能です。ただし、検査の結果、血管や神経を傷つける可能性が高い場合や患者さんに糖尿病や心臓病などの持病のある場合などは、大学病院を紹介させていただくこともあります。
初診「個別」相談へのご案内
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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